わたしはどこか出かけることになった際に必ずやることがあります。
それはその土地の歴史を学ぶことです。
その手段としてオススメなのが小説です。
もちろん史実とは異なる部分もありますが、
大雑把に、そして楽しく学ぶとしたら小説以外に最適なものはないと思います。
歴史書は堅苦しいし、旅行誌は簡単に書かれすぎてますからね。
本日紹介するのは、わたしがチェコとオーストリアに行った際に参考にした本です。
この2カ国について言えば、ネットで調べてもなかなかな本がかったんですよね。
数は少ないですが、両国の歴史や歴史上の有名な人物をざっくり学ぶことができましたので、
これから行く予定の方や興味のある方の参考になれば幸いです。
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チェコ
『プラハの春』 春江一也
<作品紹介>
1967年3月、プラハ。チェコスロバキアは共産主義の抑圧から脱し、経済改革と自由化への気運を高めつつあった。そのさなか、堀江亮介はビーナスのようなカテリーナ・グレーベと出会った。だが、亮介は日本国大使館員、カテリーナは東ドイツ人の反体制活動家。東西対立の最前線の地では、禁断の愛だった―現役外交官が自らの体験をもとに描いた、国際ラブ・ロマン。(「BOOK」データベースより)
<解説>
チェコのプラハに行くのであれば間違いなく読むことをオススメする小説です。
社会主義国だったチェコの歴史や民主化されていく経緯、
観光名所のカール橋や温泉郷カルロビ・バリの紹介、
チェコで有名なビール・ガラス細工のこと、
他にもスメタナの『モルダウ』やミューシャ(ミュシャ)の芸術の話などチェコに関する大量の情報が要所要所に散りばめられています。
また、ペトルーシの丘からのプラハの眺めなど観光に役立つ情報も掲載されていますよ。
少し古い作品ではありますが、歴史を学ぶには十分すぎる内容です。
オーストリア
『ハプスブルクの宝剣』 藤本ひとみ
<作品内容>
18世紀前半のヨーロッパ戦国時代を駆け抜けた隻眼の風雲児エドゥアルト(エリヤーフー・ロートシルト)の波瀾に満ちた生涯。ユダヤ人ゲットーをのがれ、戦乱の渦中に身を投じ、ハプスブルク家マリア・テレジアとの恋の確執のなかで、たび重なる挫折を繰り返しながら、主君フランツとの友情を奉じつつ成長してゆく姿を描く。(「BOOK」データベースより)
<解説>
この作品は宝塚で舞台にもなっているくらい有名な小説です。
舞台はハプスブルク家が全盛期のマリア・テレジアの時代。
主人公やユダヤ人なのですが、ユダヤ人への差別は1900年代のナチスの時代からではなく、遠い昔からであったという驚きの事実などが語られています。
主人公エドゥアルドが忠誠を誓ったのがロートリンゲン公国のフランツ1世であり、
彼こそは後のマリア・テレジアの夫であり、マリー・アントワネットの父になります。
マリー・アントワネットといえば、黄色のシェーンブルン宮殿ですね。
他にも王宮前に像がある帝国の名将オイゲン公も登場します。
彼はクリムトの絵画作品があることで有名なベルヴェデーレ宮殿の持ち主だった方ですね。
マリア・テレジアとエドゥアルドとの不倫激も見ものですよ。
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『ウィーンの密使』 藤本ひとみ
<作品内容>
オーストリアの青年士官ルーカスは皇帝の密命を受け、フランス王妃マリー・アントワネットの元に向かう。フェルセンとの恋に身を焼くアントワネットを説得し、ミラボー、ダントン、ロベスピエールらを利用して、革命阻止をはかるルーカスに迫る影。王妃が皇帝にあてた密書とは。激動の二都に展開する大河ロマン。(「BOOK」データベースより)
<解説>
こちらは『ハプスブルクの宝剣』と同じく藤本ひとみさんの作品です。
両親であるマリア・テレジアとフランツ1世の話から、今作は娘のマリー・アントワネットの話になります。
シェーンブルン宮殿に廊下がない理由やルイ16世は包茎だった、マリー・アントワネットは夜遊びがひどかったなど、なんといっても興味深い小ネタが満載なんです。
舞台はウィーンからパリとなっていきますが、オーストリアが誇るハプスブルク家の歴史を知るには参考になる作品です。
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まとめ
以上、チェコとオーストリアを舞台にした小説の紹介でした。
他にもいくつかあるんですが、あまり興味をそそられる作品はありませんでした。
わたしは時間が足りず結局読めませんでしたが、最初に紹介した『プラハの春』の続編である春江一也さんの『ウィーンの冬』を読むのもいいでしょうね。
やっぱり旅行本だけでなく、これらの本を読んでいくと親近感が湧いて余計楽しめますので是非読破しておきましょう。